飯豊連峰 北股岳(2,024.9M) 石転ビ沢〜北股岳〜梶川尾根 下山の周回コース

 滝沢の出合   梶川の出合が近づいてきた
   
 梶川の徒渉点・・・随分大きく巻く様になりました。 梶川の出合を越えて赤滝のヘツリに向かう
   
 崩壊中・・・とても雪渓には乗れる状態ではありませんね  やっと、石転ビの出合です。ここまで来ると風が凄く涼しい
   
 ホン石転ビの出合・・・ここから1発、結構な大きさの落石が来ました  ガスが湧きあがってきました
   
羊岩方向・・・上部はガスの中 時折、サッとガスが抜ける。石転ビ上部、黒滝の近く
   
 中ノ島から左にトラバースして再びクランポンを外した。  上部、修復地の様子どうしても、ネット上に土砂が流れ込む
   
 しっかりとした、芽吹きが嬉しい  石ダムは、ちゃんと機能しているようです。
   
 梅花皮の大滝 登ってきた石転ビ沢を俯瞰する
   


日 時   平成23年07月10日(日)  
参加者  新井田君、LTQ(私) 下越山岳会
行き先  飯豊連峰 北股岳(石転ビ沢UP 梶川尾根DOWN)
天 候   07月10日 曇り後時々晴れ、一時雨
装 備   夏山日帰り装備
登はん用具:ピッケル・アイゼン
ナビ用品:GPS、Mポインター、地図、シルバコンパス
防寒具:合羽で代用・長袖シャツ
飲み物:水 500ml ポカリスエット500ml
食料品 ハイカロリーぜリー2個 握り飯5個 菓子パン3個、カロリーメイト(行動食)
その他 非常食1,000Kcal分
残 量  非常食


コースタイム 事柄 備考
10日
03:00分 集合場所出発
04:30分 天狗平着
04:41分 天狗平発(420m)
05:13分 堰堤
05:42分 うまい水(590m)  休憩 食事
05:55分 婆マクレ     何だか踵に違和感 靴擦れだね。あまり履かない靴だから仕方ない。
06:29分 梶川ノ出合(690m) かなりの巻き道になっていた。以前の巻き道は崩落してなくなっている。
07:20分 石転ビノ出合着(870m)  休憩 食事 OTJと交信
08:17分 ホン石転ビの出合(1,250m)のやや下 クランポン装着 落石 装着位置が悪い。反省。 靴擦れ痛い。
10:40分 梅花皮小屋着(1,850m)   OTJパトロールで外出  大休止 食事

11:55分 梅花皮小屋発(1,850m)   随分、ユックリしちゃった。
12:16分 北股岳山頂(2,024.9m)    オオインノ尾根入口も草藪  お社も崩れています。
13:06分 門内小屋(1,865m)      小屋番の新発田山岳会の清倉氏と少々立ち話。後、降雨で合羽 蒸し暑い。
13:40分 扇ノ地神(1,889m)      合羽の上着を脱ぐ
14:08分 梶川峰(1,693.2m)      修復作業地の様子を観察しながら下山。 門内小屋〜梶川峰の間がヒメサユリ・キスゲがキレイ
14:39分 五郎清水(1,370m)      水を汲み頭から被ったり、顔を洗ったりで涼を取る。暑い。
15:33分 湯沢峰(1,021m)       とにかく暑い。登り返しは踵の靴擦れが痛い。
16:35分 梶川尾根登山口(420m)   おお、平らな道路は有難い。

概略
7月8日、会の若手の新井田君に日曜日の予定を聞くと、飯豊に入ると云う。
暑いなぁ・・・と思いつつ、それじゃ俺も行くか?
と、云う事で・・・しかし土曜日は暑さにやられて、ロクなクライミングもしないでいた。
夜、新井田君と打ち合わせをして、石転ビ沢を登ることにした。



記録
目覚ましで起きると、雨の音。ナニ!快晴のつもりなのに。

3時に待ち合わせをして、途中のコンビニで行動食等を購入して天狗平を目指す。
国道から曲がると、幾分道路の濡れが少ないようだ。


天狗平に着いて準備をするが、車が少ない。日曜日の晴れ予報の日なら、もっと駐車車両があってもよかろう・・・・
準備をしながら、アカジョウビンの声を楽しむ。
気持ちの良いブナ林を進み温身平。堰堤を越えると、ボクにとって忘れ得ない場所。
うまい水までユックリと進んで、うまい水で休憩&食事
早い時期は煩いブヨもいない。
メジロ虻には早くて、ブヨはお終いという、有難い時期だったようだ。

夏道を忠実に進むが、婆マクレは以前より歩き易い様に感じたが、他はやや荒れている印象。
さて、問題の梶川の出合・・・河原は進めそうな気もするが行き詰まって戻るのも嫌だし、靴を濡らすのも避けたかった
・・・・つまり、ここで既に踵の靴擦れは確実な感じで、これで靴を濡らすとかなり痛い思いをする。と思い大人しく巻き道に入る。
それにしても、随分と大きく巻かねばならなくなった。将来どうなるのでしょうか・・・・出合の崩壊は岩盤が出るまで進むのかな?

赤滝のヘツリを通過すると石転ビの出合が近い。
出合の雪渓はまだ安定しているので、あまり気を使わないで大岩の少し上の草付きで休憩&食事。じっとしていると寒い位だ。
食事を摂りながら、OTJを呼んでみる。OTJは御手洗の池方面へ出るので不在となる、予定とのこと。

残念だけど仕方ないですね。また今度お会いしましょう。

さて、ここから標高差で概ね1,000mなのでノンビリで3時間。踵の靴擦れが痛いのでノンビリ進む。とはいえ靴擦れは辛いものの
関節等の構造的な機能が失われるわけじゃないので、本人の我慢次第。
あまり深く考える必要なし。てんで、進む。

小一時間歩いて、ホン石転ビ沢対岸の上部からの雪崩跡と思われる傾斜が急になる場所にきた。
位置で云えば、ホン石転ビ沢対岸の枝沢の下。傾斜も徐々に上がり雪面も硬くなってきたので
ここでクランポンを装着した。ついでに食事を簡単にとる・・・・・この位置はボクの誤り。
もう、50m強登りホン石転ビ沢からの落石の影響を受けない場所まで我慢すべきだった。
それを、これまでの枝沢が全て、雪渓が切れていたので落石はなかろう。
北股沢まであまり心配は要らないだろう。と決めつけたのが問題・・・・

ボクはサッサとクランポンを付けて、上部に気を配りながら握飯を齧っていた。
音はしないものの、何だろう?何か妙な振動というか?気配を感じて上を注視していると、傾斜の変わり目で
突然、かなりの大きさの落石が雪を巻き上げながらすっ飛んできた。

「オイ!来たぞ!・こっちにくるぞ!」と叫ぶが、新井田君は未だ状況が飲み込めなかった様子。
ワンテンポ置いて、状況が解ってから、彼の逃げ方は実に素早かった。ザックは放置して身一つでボクより遠くに逃げていた。
ボクは握りメシをもぐもぐしながら、ザックを持って逃げた。
結果的には・・・新井田君のザックの1.5m程斜め後ろの位置に衝突痕を雪面に残しバウンドを続けながら出合近くの傾斜が緩くなるあたりまで見事に
転がり続けた。多分、人間に当っても進路にもスピードにもほとんど影響ないだろう。

ザット見て50p角の大きさと思う。多少薄くてもまあ、300s〜400sの岩石の落下エネルギーを喰らえば・・・・さようならのサイズ。
下部に向かい「ら〜く」と数回コール。
新井田君は石転ビなんで、落石は見てみたかった。でも、少しリアル過ぎました。とのこと。
やはり、背中向けてはダメなんですね・・・との感想を聴かせてくれた。

さて、クランポンを履いてサクサク歩きたいが、靴擦れがあるので誤魔化しつつ歩く。
一段上がったらホン石転ビ沢は見事に繋がっていた。完全にボクの判断ミスといえる。
バウンドし、雪面に残る衝突痕を観ると、ホン石転ビ沢からの落石の様だ・・・・クワバラクワバラ

北股沢の出合で落石が避けられそうな、笹尾根の下で腹ごしらえ。
ガスが濃くなってきた。時折一瞬ガスが抜けるものの基本ガスの中。
中ノ島の方向をコンパスで確認しておく。同時に、黒滝のトラバース地点もコンパスで確認する。

石転ビデビューの新井田君は近そうに見える様だ。実際近く見えるが、まだ、標高差300m前後の頑張りが必要。
黒滝を避ける様に指導標が打ってある。
トラバースして中ノ島。小さく見えるが、そこそこ登りごたえがある。
中ノ島から小屋に向かい更に左側にトラバース。指導標の脇に穴が開いていたので、更に草付き上部まで移動しトラバース。
僅かに登り最後の小屋下の急斜面を忠実にクランポン・アックスで登りきる。

何れの場面でも、アックスがあればクランポンは?と思うけれどもし、何かあれば
馬鹿だねぇ〜
解っているべ〜
横着して〜
と・・・・罵詈雑言の非難を避けられないので
やはり、忠実に基本通りにしましょう・・・・ワタシって忠実派
さて、梅花皮小屋について、水を汲んでラーメンを煮て大休止。

梅花皮小屋を後にする、息を切らせながら北股岳。
残念ながら、ガスで展望なし。
涼しいのでこれも、いいか?と下っていく。

ギルダ原ではイイデリンドウを探すが、彩が薄い。キンポウゲとかシオガマの類が少々で寂しい感じ。
イイデリンドウを丁寧に探して歩くが、一輪だけ蕾を見つけたけれど、天候が悪く(ガス・風)で未開のため、
イイデリンドウなのか?ミヤマリンドウなのか
判別がつかないものの、多分イイデリンドウだと思う。
ガスで展望がないものの、陽の光で炙られないだけ助かる。

門内岳を経て門内小屋。
小屋番の新発田山岳会の清倉氏と少し立ち話をして、雷雨に遭わないうちに梶川峰より下に行きたいので先を急ぐが門内小屋から僅かに進んだところ
で雨が強まり、合羽を着用する。門内小屋から梶川峰までは、ヒメサユリ・ニッコウキスゲがキレイに咲いていた。

扇ノ地紙で合羽の上着を脱いで下る。
飯豊連峰保全連絡会議の合同作業で行われた、登山道の修復作業地を観ながら下山。
ネット上に土砂が水流で運ばれていて堆積していた。反面、水流の影響が小さいと思われる場所ではなかなか力強い芽吹きがあり一定の効果を
感じた。また、ガリー浸食が顕著な場所に施工した石ダムは機能していた。
問題となりそうなのは、水抜きのために側に排水路を造った先の草地に土砂が運ばれ堆積が始まっている様に見えた場所があった。
プールを造るなどしてオーバーフローした水のみを排水するなど(慎重に考える必要があるだろうけれど・・・・とりあえずの思い付き)の工夫が必要
なのではないか。

梶川峰を過ぎると陽射しが戻り暑いけれど、草藪についた雨が合羽ズボンを濡らすのでもう少し我慢。
トットバのカッチはまだ雪が沢山ある。三本カンバの上で我慢できず合羽を脱ぐ。
石転ビ方向を眺めると中ノ島から上はやはりガスの中。

だんだん暑くなり五郎清水で頭から水をかけたり、顔を洗ったりして涼をとり、水を補給。
かなりの暑さで辛い。水分と塩分を含んだ食品・飴等を口にしながらの下山。
飯豊山荘の赤い屋根が足元に見える楢の木曲がり。ここからもダメ押し的に脚に負担がかかる。

ようやく、登山口に飛び出て湯沢の橋の上で残った水を飲み干して、周回を終えた。
正月の飯豊本山以来、山歩きらしい山に入っていなかったが、ようやく飯豊の稜線に戻った。
靴擦れのオマケがついたものの(何ともマヌケで汗顔の至り・・・・)たっぷりの汗をかかせてもらった。
同行の新井田君ありがとうございました。



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